桜馬場の北の端、こんもりとした楠の下に寺田寅彦の文学碑が建っている。
刻まれているのは随筆集 花物語 にある、「昼顔」の書き出しの部分だ。
寅彦が幼少のころよく遊んだ場所と思われる。
所々に昼顔が咲いていたとあるが、いまここにはない。
(花物語は青空文庫で読むことができる)
この場所から江ノ口川に沿って100m程遡ると桜馬場橋がある。
その東側のたもとに雑草に埋もれるようにしてひっそりと咲いている昼顔を見つけた。当時から延々と命を受け継いできたものにちがいない。
着物に草履ばきで駆け回っている寅彦に思いを馳せた。
寅彦の住んでいた家は、城西公園北側 江ノ口川を挟んで向かいにある。
先の大戦、高知空襲でほとんどを焼失したが、現在、元の場所に復元され「寺田寅彦記念館」として一般に公開されている。
高知を訪れたときは足を延ばしてほしい。
寅彦に関しては、寺田寅彦記念館友の会に詳しくでている。